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専務にハンカチを渡した日から、連絡はいつくるのだろうかと携帯を気にする毎日が続いた。
だけど一週間たっても、専務から連絡はない。

仕事が忙しいのかも。そう思ったけれど、暗い気持ちは拭えなかった。

わたしから電話をかけて専務を呼び出せるような良い理由もなくて、ただ携帯を眺めているしかない。

こんなに専務からの連絡を待ってしまうわたしは、もう……。


休憩時間に自販機で飲み物を買って通路をとぼとぼ歩いていると、前方から悠悟が歩いてきた。

相変わらず気まずいままで、仕事に必要な会話はするけれど、お互いしっくりしないものがある。

このままじゃ嫌だなって思う。

距離が縮まり、すれ違うというところで思いきって声をかけようとしたとき。

「ちょっといいか?」

悠悟はわたしの目の前で立ち止まって、先に声を出した。

「うん……」

わたしはうつむいて返事をする。
話をしたいとは思っていたけれど、いざとなると上手く話ができるか不安。

自分の気持ちをしっかり伝えることができるだろうか……。

歩き出した悠悟を追うため、ひとつ息を吐いてから一歩を踏み出した。


休憩スペースに向かうとちょうど二人組の男性社員が去っていったところだった。

悠悟は自販機でコーヒーを買う。わたしはすでにミルクティーを持っていたから、先に長椅子へ座って飲んでいた。

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