悠悟が隣に座ったので、わたしは床を見つめる。妙に落ち着いていた。

コーヒー缶のフタを開ける音がしてしばらくすると、悠悟は口を開いた。

「お前さ……」

その声にためらいがあるように感じたから、視線を上げて悠悟を見る。
彼の、切なさの籠る瞳が揺れた。

「俺が美穂子のこと好きって気づいてんだな」

――わたしは間をあけずにうなずいた。

悠悟はふっと笑い、それからコーヒーを飲む。

わたしのなかで様々な想いが動き出した。
意外と冷静なのは、悠悟はなんとなく勘づいたのではないかと思っていたから。

「お姉ちゃんだけ心配してればいいって言ったから、わたしが悠悟の気持ちに気づいてるって思ったの?」

「んー……まあ、それもだけど、最近のお前はなんか違ったから。三人で会ったとき、何かと美穂子と俺を気にしてたし、友達に誘われたとか言って消えるし、俺になんとなく関わらないようしてるし」

わたしは下を向いた。
予想していたのと少し違う。公園のときから怪しまれていたとは思わなかった。
やはり昔からの付き合いだからか、そういうところは悟られてしまうらしい。

「急な変化には気づくもんだよ」

笑う悠悟にわたしはばつの悪い顔をした。

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