ありふれた恋でいいから

輝きに満ちた日々の向かう先

「受験合格、学業成就、絶対同棲!」

「…絶対、同棲?」

参拝客の多い正月三が日を敢えて外した冬休みの最終日。
私たちは高校の近くにある小さな神社を訪れていた。

鈴尾を豪快に揺らして手を合わせた畑野くんの3つ目の願い事があまりにもストレートで。
思わず聞き返せば彼は「ダメ?」と心配そうに私の顔を覗き込む。

「ううん…ダメじゃない。私もそうしたいな」

同じ大学に入ることが出来たら、地方に住んでる私たちは上京して一人暮らしすることになる。

もちろん家族の手前それぞれアパートを借りることは必須としても、きっとどちらかの家で一緒にいることになるだろうとは、何となく予想がついていた。
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