螺旋上の赤
第3章  別れの理由
第3章  別れの理由


——カランカラン

「いらっしゃいませ!何名様ですか?」

ここのお店は大学の近くということもあって、店員もお客も殆ど学生ばかりだ。

実際、入って直ぐに接客に出てきた子も同じ大学に通うバイトの子である。

「って、凛じゃないのさ。」

「やっ、バイト大変だね!」

同じ英文科の零ちゃん。

「ちょっとこないだ出た課題が終わらなくてね……。
 花奈に解らないところを教えて貰おうと思ってさー。」

「どうせまた写すだけじゃないのかい?
 花奈も大変だねぇ。」

「カッカッカ!」と言わんばかりに笑う零ちゃんは姉御肌のサッパリした子。
良い子ではあるんだけど、その代わりあまり話しをオブラートに包めない。
包めないというか、ワザと包んでいないのかもしれないが。

私はそんな裏表の無い所に好感が持てたので、会って間も無く友人関係を築くことが出来た。
半年を過ぎた今では、中々の仲良しであると自負している。
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