チキンとウサギ
新たなる

バスにのって、学校へつくと先ほどの彼は隣のクラスへ入っていった。

私は自分のクラスにはいって友達にちらっと出来事を話してみた。

『あのさー、バス停で待ってたら隣のクラスの茶髪にピアスの目付き悪い人に金額聞かれた』

「えっ!隣のクラスのって…入間蓮司?」

『いや名前は知らんのですけどね』

「その人ものすごいヤンキーで有名じゃん、ケンカで顔血まみれにしてたらしいよ!」

『ひぇっ…そんな人と同じ空間にいたのか私!』

「でも中々顔はかっこいいんだよね」

『それ私も思ったけどさ…こわい』

「確かに怖いけどあんたほどびびってないよ…」

顔色悪いよ、と言われるほど私は怯えていたみたい。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

4時限目が終わり、私のお腹は限界を迎えていた。

『お腹すいた…』

屋上の真ん中に置かれているベンチに腰掛け、委員会の用事で席をはずしている友達を待つ。

友達は半分弁当を食べかけている時に呼ばれたので、お弁当はそのままになっている。私も半分食べたけど。

まだかな、とソワソワしていると屋上入り口のドアの開く音と足音が聞こえた。

『おかえり、おそかっ…かっ………』

「あ、朝のやつ」



入間蓮司クンだ。顔面血まみれヤンキーだ。

『………………………………………………』

「………………………………………………」

トスッ

『………(なんか、真向かいに座った…)』

「……………………………………………」

『……(こわい、なんか喋って…それかどっかいって)』

「…あのさ」

『ひゃい!』

「お前今一人?」

『そっっっそうですよ(やばい食われるコロサレル)』

「えーと、わりぃんだけどさ」

『はい!あっ!ここ使います!?退きましょうか!』

「えっ?いや、ちがう!!」

『ごめんなさいぃぃぃぃ!』

水飲み鳥みたいに高速お辞儀なう。

「ちげーよ!一緒にメシ食ってもいいかってきいてんだよ!」

『ええっ!?』

「だっ、だめなら別にいい…」

『…!?』

顔ものすごい眉間にシワよってて怖いけど発言が子供みたい…だなんて言えないし断れないんですけど

『あ、あの、私でよければ……』

おそるおそる顔を見て言えば、顔面血まみれヤンキーくんはパアッと明るい顔になった。

「まじ!?ありがとな!やっぱお前いいやつなんだな」

声でかい、背ぇでかい、そして、


笑顔が…なんか…素敵だぞ……アレ?
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