ハジメより洗礼された、その道だけに全身全霊を注ぎ込んだゲンキの技術力(テクニック)。

しかしその努力の幅は、ついに技術にだけではなく、他へと伸びようとしていた。


「っ」

「…!」


シャトルは地面スレスレを高速に飛んでゆき、スクエアにギリギリ入り込んだ瞬間、着地した。



先に三十点を先取した方が勝ち。

得点は、十七と三十。

俺とハジメの負けだった。


「あークソッ!低過ぎッ取れない!」


あの低空飛行しているシャトルと地面の間になんとかラケットを差し入れて、仮に打ち返すことが出来たとしても、今の俺とハジメの力量じゃあ、絶対に相手のスクエア内に届かない。

ゲンキにとっては常時打てるが、打たれた側は攻略不可能な必殺技だ。

テクニックのプロ。テクニシャンってかこの野郎!


地団駄を踏む俺の横で、ハジメは地面に膝をつけて屈んでいる。


「んー、ラケット差し入れるほどの幅も無かね」

「は!?」


なんだと?


「ラケットの厚さ約二センチ。ここに来た時点で一.五センチも浮いとったかどうか。スピーダー(シャトル)の先端は下ば向かせて打っとるし、スクエア上に入った時点で着地しとるけん、計算し尽くされたショットやね」

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