背後からの「なんだとこの愚民め…」と言う声は聞かなかったことにして、クロエの元へ。


「俺の何処が悪い!」


なんだか質問が回数を重ねるごとに違う形になってきている気がする。


「え、…ええっ!?いきなりね。…う、ううん。そうね。…………自分のこととなると、自分ひとりの世界に閉じこもっちゃうところ、かな?」

「…自分一人で抱えるところが、悪いところ?」

「そうね。でも、アウンの悪いところも良いところもぜーんぶ、私は大好きよっ♥」

「あの…うん、ありがとう。お前の意見が一番参考になった気がする」


やっぱりお前が最高だ。



しかし、困ってしまった。

最終的に、俺は一人校舎の石段に座り込んで考えていた。

"自分のこととなると自分ひとりの世界に閉じこもる"。

ハジメ、ナンパ、ツルカのような具体的なものとは違い、抽象的な欠点で、正直どう克服したら良いのか分からない。


今、俺が一人で抱え込んでいる問題。

欠点探しに困ってはいるものの、皆に聞いて回っているのに、これは果たしてひとりの世界に閉じこもっていると言えるだろうか。

他に、…他になにか、俺がもっとひとりで抱え込んでいる問題とは、…なんだろう。


口をへの字に曲げて頭を抱える俺とは違い、しかし、人を見ることを得意とするそいつは、あっさりとそれを言い当てるのだった。


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