「今は気にせんで良かよ。ヌシャにはヌシャん都合があるけん、今はちぃとばかし不抜けてても、俺は怒りゃせんよ」


そう言ってくれる。

でも今の俺は、……今の俺を、ナンパみたいに、怒ってもらって、立ち直らせてほしかった。

優しくされたら猫撫で声出して甘えられるような性格をしていない。

だから、怒って、立て直してほしかった。駄目になってる自分を。



部活が終わった後の俺は、なんとなく荒れていた。

物に当たれば壊れた後の物を見て自分が一番後悔するのは分かっているのに、自分の部屋のゴミ箱を蹴り倒して、それだけでは苛立ちが満足に抑えられなくて、何か派手に壊れるものを探して、ガラスコップや皿を、数枚、数個、叩きつけて割った。

あとは自分自身を痛めつけるようにダンが組んだトレーニングメニューを何倍かにして徹夜するぐらい続けた。

食事もろくに取らず、部屋の掃除もせず、ただ風呂とトイレにだけはキッチリ入って、外面ではなんでもない風を装いつつ、内面はボロボロだった。

そのボロは早々に部活メンバーにはバレていたのだが、誰ひとりとしてそれを追求してくる奴はいなかった。

俺の荒れ具合とか、下手にクロエの話題を出せば俺が落ち込むと思って、声をかけづらかったんだろう。

それでもいつも通りに接してくれたあの人らには、今でも感謝している。

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