労わるような声色が、それでも頭に響かない。

ああそうかい。

その程度の認識で終わってしまう。

一番信頼している奴からの言葉なのに。


「……お前よりは体力あるよ。有り余ってるんだ」

「有り余ってんのは体力じゃなくて性欲なんじゃなかの?いっちゃん抜いて来たらど?クロエで」

「あんた結構最低なこと言ってるぞ」

「ハハハハッ、彼女おるのに結婚するまでセックスしないだ豪語しよって、大変だろ?」

「責任持てないからいいんだよ」

「孕ませんようゴムすりゃ良かよ」

「そうじゃなくて、抱いた時点で責任が発生するんだよ。俺は少なくともそう思ってる」

「…真面目やねぇ」


からかうみたいにさっきまでケラケラ笑いながら話していたのに、俺の対応が冷めているからだろう。

ハジメの笑い声も段々と冷めていった。

下ネタで笑えない奴で悪かったな。


「もう行ってもいいか?」

「……アウン」


ハジメに背を向け走り出そうとすると、ハジメはまだ会話を続行する気でいる。

こいつなら、行けと言うと思っていたが…。


「これ」


振り返る途中で、夕陽を反射して煌く物体が俺に迫る。

それを捕まえると、ハジメは笑った。


「…なにこれ」

「昇給したけん。それ、寝る前に飲んで。間違っても、寝る直前でも無か時に飲むなよ」

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