クロエが志士頭に帰ってきてから、十日が経っていた。

その日は雨天と言うことでスピードミントン部は休み。

俺は朝から一日中、バイトに精を出す。


「花ちゃーん、俺これ一人で運べるから他の人休憩回していいっすよー」

「おう、そうか?アウンは力持ちだなー!」


花(ハナ)ちゃんこと、俺のアルバイト先、引越し業者「花詩(はなうた)」の親方・花邸 吽(ハナヤシキ ゴウ)は、今日も大音量の声で笑う。

ほんっと、ご近所迷惑って言葉を意識しない高笑いだ。

でも、この人に褒められんのは嫌いじゃない。


「細かい作業は無理っすけど、でかくて重いの持ち運ぶのは得意だから、どんどん任してよ!」


俺はダンボールに皿とか本とか細かい雑貨を詰める作業が苦手だけれど、タンスとか冷蔵庫とか勉強机なんかの重量な大きなものを運ぶのは大得意だ。

全部一人で運べるから、花ちゃんからは"アウンが出勤している日は作業が早いし従業員も他の仕事回せるしで大助かりだ。シフトもうちょっと入ってくれよ"と最近はせがまれることが多くなった。

でも部活もあるし、朝練はどこの部活より早いしで、その期待にはあまり応えられそうにない。

だからここ最近は週四くらいのペースで、出勤時間は部活に合わせつつ、ラストまで出勤してる。

これ以上増やすのは、ちょっと厳しいだろ?

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