三位以降の学校は表彰されない為、志士頭は途中棄権と言う扱いで、昨年の国際大会の幕を閉じた。

優勝校には、そのドイツのチームの名が上がった。


幸いだったのは、ダンの左目の視力がほんの少し下がった程度で、他の後遺症などが何も無かったことだった。


「……………」


俺が黙り込んだままでいると、


「マママ!皆サン!ワタシの力量不足と根性不足が原因ですユエ、更に精進してゆけば、こんな失態は二度と起こりエマセン!今日からまた志士頭スピードミントン部の再スタートデスゼヨ!気張ってイキマっしょイ!」


ダンはいつもの調子で、笑ってパイプ椅子から立ち上がる。

その表情に無理に笑っているような様子は見られず、またこのメンバーで部活が行えることを純粋に喜んでいるようだった。

皆も、ダンがもう終わったことにしようとしているのを汲み取って、続くように「はいはい」だの「おー」だのと盛り上がる。


…それでも、俺は、…皆のようには出来なかった。

幸いだと?

視力が下がった。選手にとって重要な視力が下がったことが、幸いだと?

……不幸中の幸いなんて、……そんなことで済ませていいのか。


苛立ちが募る。


この時から、高等部に上がってから、俺も少しずつ変わっていった。


自分から変わろうとしたのではなく、周囲が変わるから、俺はその荒波に無理やり流されて、それは大きなストレスになっていった。

そこに、ダンの負傷を聞き、それが更にストレスを溜めてゆく。


左腕が、頭の角が、…痛むようになってきていた。

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