建築中のホテルに入る予定のショッピングモール運営会社との会議を終え、車へと足を向けた時。



「…怪しい雲行きですね」


山崎が暗くなりかけている空を見上げ。



「冬に夕立?珍しいんじゃない?」

「いや、雨だけじゃなさそうな雰囲気だぞ…」


博人と修哉もその顔を上へと向けた。



「…」


いつもは見ることなど無い空。

けれど一瞬過ぎった嫌な予感にチラリと視線を走らせれば、遠くの雲の塊が微かに光を帯びたように見えた。



「――博人、車のキーだ」

「え…、これ?」


俺の低い声に、自分の手の中にある物を見る博人。



「ああ」


その前に手を差し出せば、BMWのキーが乗せられた。



「山崎、2時間後に戻る」

「は、はい」


ベンツの後ろに停めてあるBMWに乗り込むと直ぐさまエンジンをかけその場を離れた。

走り出して間もなく、
車のフロントガラスにポツポツと雨の雫が落ち、見る見るうちに前の視界全てに広がり始める。



「……」


激しく行き来するワイパーの向こうを睨みながら、加速する為にアクセルを静かに踏み込んだ―――…



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溺愛  激甘  社長  イケメン 

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