後期試験も終わり、卒業式も近づいた真冬のある日。

人気もまばらな構内の図書館の前でその人を見つけた。



「藤堂先輩っ!!」

「――真希ちゃん」


私の声にこちらを向いた人は、

冬の柔らかな陽射しに輝く金色の髪を揺らし、美しい微笑みを湛える。



「久しぶりだね、元気だった?」


透き通る磁器のような肌とゆっくりと瞬きする鳶色の瞳。



――…いつ見ても、うっとりしちゃうっ!



「…はい、何とか。…先輩はお元気でしたか?」


滅多に大学には来ない藤堂先輩に会えただけでも奇跡なのに、話まで出来る今の状況に声は自然と上ずってしまう。



「ふふっ、元気だよ。――それよりさぁ、真希ちゃん」

「は、はいっ…!」

「いい加減、その「先輩」ってやめない?」

「へ…っ?」

「一緒にご飯食べに行ったり、「飲んだり」する間柄でしょ、俺達」


グッと私に寄せられる美しい顔。



「!!」


目を見開いたまま、咄嗟に息を止めた。




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溺愛  激甘  社長  イケメン 

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