大学近くのカフェで席に着くと、



「――…本当に倒れるかと思いました」


まだドキドキする胸を押さえ斜め前に座る人を少しだけ睨む。



「ダメだよ真希ちゃん、あれくらいで倒れちゃ」


私に向けられるのは極上の王子様スマイル。

藤堂先輩は窓越しの陽にその金色の髪を輝かせ、男の人とは思えないきれいな手でコーヒーのカップを持ち、ゆったり長い脚を組んでいる。



――…おまけに、眼鏡…。


見惚れるほど美しい彫刻のような顔に掛けられた黒縁のおしゃれな眼鏡。

さっきまではなかったそれは、いつ掛けられたのか全く気付かなかった。



「――キスなんて挨拶でしょ、ただの」


眼鏡の奥の長いまつ毛がゆっくりと上下して。



――…髪だけじゃなくて、眉毛もまつ毛も色が…。


てっきりカラーをしてるだけだと思っていた先輩の髪の色。

でも、形の良い眉も長いまつ毛も瞳の色と同じ鳶色で、透けるような肌と相まってとても人工的に作られた色には見えない。



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溺愛  激甘  社長  イケメン 

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