隣のあなた。

明らかに



「もう一つ……言ってなかったことがあるんだ。驚かないで聞いてほしい」


私は敦司さんの顔を見る


「俺、前は普通のサラリーマンって話したよね……俺ね、親父の会社で働いていたの……いわゆる後継」

「けど、それが嫌でね……家を出て1人で生きてみたかった……」

「このマンション、全財産つぎ込んで買って、一文無し。手っ取り早く金稼ぐのに夜の世界に入ったわけ」


「仕事が嫌だったわけじゃない……ただ親父に引かれたレールをただ歩くなら俺じゃなくてもいいんじゃないかって思った」
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