色々な恋愛覗いていきませんか?*短編詰め合わせ。
告白練習女子。




青空の下。


屋上でめいいっぱい空気を肺にため込んで、





「先輩のことが、あの…ずっと、好きでした‼︎」





思いっきり吐き出した。





べつに今、少女マンガのような告白の真っ最中ってわけでもなく。



ただ単に、好きな人への告白練習。




もう一回。




これで、最後の一回。




これを言ったら、先輩に告白しよう!



練習じゃなくて、本番で。





「真田(さなだ)先輩。私、先輩のこと、ずっと前から好きでした‼︎」




よしっ!
言えたぞ‼︎

このままいけば、本番だってちゃんと噛まずに言えるはず!




「…マジかよ」


「…え?」





声のする方を向けば、私の告白相手の真田先輩が呆然とした顔で、私の方を見ていた。




「いや、あの、これはっ、きゃっ」




どうにか誤魔化そうとした私に早足で近寄ってきた先輩は、ぎゅっと私のことを抱きしめた。

その途端に先輩のつけてる香水なのか、柑橘系の匂いに包まれた。







「俺もお前が好きだ」






その瞬間、ボフンっと音がしそうなくらい赤面したのは言うまでもない。





fin.
< 4 / 13 >

この作品をシェア

pagetop