「お・・お嬢さまっ!」

「ああー もういい!
 時間ないから
 じゃあねー ママ行ってきまーす」

「はーい 気をつけてね~」


バタバタと慌ただしく
真優(まゆ)は、明るく元気に邸を飛び出していく。


「もぉー お嬢さまったら
 寝癖のままで」
困ったように溜息をつくメイドのユキの隣で

「あと30分早く起きれば済むのにね
 いつものことだけど」
この家の奥さま、青木真子(あおき まこ)は穏やかな笑顔でクスクスと笑った。





・・・





ショルダーバックをたすき掛けにして、
 青木邸の裏口からそっと出ると、パンツスーツの真優は颯爽と自転車に乗る。

会社までは自転車で15分、雨の日は歩いて40分。
車と違って渋滞に巻き込まれる心配もない。 


~♪


清々しい春の風が、真優の髪をなびかせる


 ―― 今日も朝から気持ちがいい~