恋する淑女は、会議室で夢を見る


瀬波は軽く頷き 
少し微笑んでから答えた。


「まず 身元がしっかりとされていること
 機密事項に多く接する秘書ですから これはとても重要なことです。

 それから語学が堪能でいらっしゃること
 専務には世界各国からのお客様が 多数いらっしゃいますのでね。」


「・・・」



「あとは…色々ありますが
 
 正直に申し上げますと
 あなたは玉の輿を狙うような方ではないでしょう

 そういった心配がないことも大きな理由です」


瀬波はあくまで淡々と
仕事の話でもするようにそう言った。




玉の輿?


…なるほど


まあ確かに、玉の輿狙いの女性が沢山寄ってくるんだろうなぁ
とは思う。


―― でも待って?

 どうして私にはその心配がないの?


そりゃまあ、私は確かに
桐谷遥人に対してどうこう思っている訳ではないけど


――はなっから蚊帳の外という扱いは


どーゆぅこと?



内心ムッとしながらも、

「わかりました
 ありがとうございます」

顔には笑みを浮かべ
真優はニッコリと頷いてみせた。
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