私の思い~きっかけとタイミング~
恵太side
美紗の家に着いて、部屋を覗いた時、俺はびっくりした。

明らかに引っ越しの準備がなされていたその部屋。

思わず俺は頭に血が上り、美紗を問い詰めてしまった。

なのにあの美紗のきょとんと驚いた顔。

俺は昨日の一登の電話で、てっきり転勤するあいつの元に美紗が行ってしまうのだと勘違いしたのだ。

よく考えれば、美紗の言う通り引っ越し屋を手配したのは俺だ。

でもそんな事、すっかり忘れていた。

とてもそんな状況じゃなかったからだ。

でも良かった。

そう思うと、俺は笑いが止まらなくなってしまった。

前に美紗に触れたのが、遠い昔のように感じる。

もう離したくない。

今度こそちゃんと俺の思いは美紗に伝わっただろう。

俺は引っ越し屋を引き連れて、自分のマンションに向かった。

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