私の思い~きっかけとタイミング~
暗闇でも分かる。

そしてその女性は昨日と同じ車に乗り込んだ。

間違いない、あの彼女だ。

昨日の結果をちゃんと伝えに来たんだな。

ちょっとお名残り惜しい気持ちを感じながら、俺は山本内科に入って行った。

「おお、来たか。今終わったところだ。」

本当に山本先生はいつもニコニコしている。

うちの親父とはえらい違いだ。

「昨日はありがとな。あの患者は本当に小さな時からここに来てくれている子なんだ。さっき結果の報告に来てくれたよ。」

先生は愛おしそうな顔をする。

「美人だし気さくだし、凄く良い子なんだ。すぐに結婚するかなと思っていたんだが、なんせ性格が用心深い。あんな感じじゃ、本当に自分に納得がいく相手じゃないと結婚しないだろうな。」

そう言って思い出し笑いをする先生。

「もう娘みたいな感じだよ。でもあの子も30歳過ぎちゃったな。」

そして思い出したように、俺の顔を見る。
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