私の思い~きっかけとタイミング~
私は今の状況をぼんやりと考えていた。

「さあ、行くぞ。」

私は会社の駐車場に自分の車を置いたまま、近くの和食の店に連れていかれた。

いつもなら気の進まないお誘いははっきり断っていただろう。

でも上司という立場を前に出されると断れない。

ましては仕事内容を教えてくれと言われれば、なおさらだ。

やっぱりトップセールスマン。

上手な理由を考えて来たものだ。

奥の個室に向かい合って座る。

「本当なら居酒屋とかで酒でも飲んで、砕けた状態で話が出来た方が良かったんだけどな。新田さんは車で帰らなきゃいけないからな。」

そういう井上さんだって、車通勤のはずだ。

私を連れだした事で、かなり饒舌になっているようだ。

私は井上さんをじっと見る。

確かに美形だ。

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