その顔、反則


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接待が終わって、終電に揺られて家についた。
腕時計は12時半を指していた。


あぁ、遅くなったなあ。
さっき日香梨には先寝てろってメールしたからきっともう夢の中であろう。



そんなことを寂しいと思いながら鍵を開けた。




靴を脱いで真っ暗な廊下に灯りをつける。
………と、廊下に体操座りでうずくまる日香梨。



「え、日香梨?」

「…グスンッ光ちゃん…」

「どうした?なんでここにいる?」

「…一人じゃ…ねれないよ…」


日香梨が立ち上がり俺を壁まで追い詰める。
すると日香梨の両手は俺の脇腹の横の壁についた。


「ちょ、日香梨?!」


いつも受け身な日香梨の行動とは思えなかった。日香梨に…壁ドンされとる…


日香梨は突然顔をあげて、俺を見つめる。
少し涙ぐんで、ほっぺたをぷくーって膨らませたすげー可愛い顔。

あぁ、これはやばいやつだ。
そうやって自分で自覚した時にはもう遅くて、気づいたら俺は日香梨の両腕をつかみ、くるっと体制を変えて日香梨に壁ドンしていた



「…光ちゃん?」



すげー驚いた顔をする日香梨。
そりゃそうだろう。



「なぁ、日香梨?」



「…」



「さっきの顔反則…。俺以外に見せるなよ、まじで…」







そういって俺は日香梨にキスをした。
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