好きになった相手には大体相手がいるんです

初デート?!

準備が出来て20分が経った。

いつお迎えが来てもすぐに出かけられない様じゃ、それだけで

マイナスからスタートの私には更にマイナスポイントだけが増えそうなので

とにかく頑張った。


服装だってここはめちゃくちゃおしゃれしてドン引かれるのを恐れ

普段着よりも少しだけおしゃれしただけにとどめた。

どれだけへっぴり腰だよと思われてもいい。

とにかく相手には彼女がいる(完全に別れたわけじゃないし、しかも彼女は私の友達)

慎重に事を進める事。そしてめちゃくちゃはしゃがない。

はしゃぐなら頭内だけにとどめよう。



そんな事を考えていると悠木君からメールが来た。

『もうすぐ着きます』

あ~~なんていい響き。
 
もうつくよ。私の為だけの言葉よね。

どんな言葉も今の私には美しい言葉に聞こえる。

「わかりました。下で待ってます」

すぐに返信すると、私は玄関先に置いてあったバッグをがばっと掴み

バレーシューズを勢いよく履き

高鳴る鼓動を抑えつつ階段をダッシュで駆けおりた。

エレベーターを使えばいいのにエレベーターが私の住んでる階の5階まで

上がってくるこの時間さえもったいなく感じ

人には見せられない小学生並みの速さで、時に一段とばしまでして降りた。

1階に付くとほんの少し息をあがりかけていた。

多少の余裕を見せないと・・・私は一度大きく深呼吸をし、呼吸を整えると

外に出た。

するとタイミングよく悠木君の車が止まった。
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