さようなら僕の死神
第一話「こんにちは、僕の死神。」
久我貴理斗(くが きりと)に関する情報を集めてみた。

優等生、イケメン、美男子、クール、人気者、運動神経抜群、夢みたいな男、二次元の主人公、この世の中の住人じゃない。

ちなみに後ろの三つは僕の彼への皮肉だ。

まあ、僕が彼について知っていることは、身長平均より高め、体重平均、握力43、腹筋三十秒間三五回、反復横飛び六〇回、小学校五年生までバスケを習っていた。
現在は木賀峰高校二年生で帰宅部に所属、現在彼女無し。好きな子はいる。
携帯は今時珍しく無し。バレンタインはチョコが紙袋二つ分。前回の中間テストは国語92点、数学89点、科学89点、地理97点、英語96点。もちろん学年トップの成績。

他225件、といったところだ。

まあ、本人なんだけどね。

まったく勝手なこと言ってくれるよな。世間体もつまらないイメージも改善の余地はなくて。


自殺するほど深刻ではないにしても自分で自分のことが怖くなる。

ここまでスムーズに人生進んでいっていいものなのだろうか。


「駄目に決まってるじゃないですか、そんな人生怖すぎです。」


「あー、汚点が一つだけあったよ。」


僕は恋をしている。好きな子がいる。初恋、初めての恋。今時遅いな。

大事な情報だ。


「死神ちゃん君のこと嫌いじゃないんだよね。」


「そうですか、私はあなたが私の周りで生きていることが汚点です。」


クールに受け流すけど、それなりにぐっさり刺さった。
出血大量、ピーポーピーポーだ。


本当に初恋だというのは大事なことだ。
初恋は美しいものだけど、絶対に叶わないんだよな。敵(かな)わない、人生にね。



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