不順な恋の始め方
喧嘩後の仲直りの仕方



「────……そう。とりあえず安心したわ。坂口先輩がしっかりした人で本当に良かった」

「うん……でも」

「ん? でも?」



妊娠発覚を機に譲と婚約、それから、お付き合いを始めてはや1ヶ月が経とうとしていた頃。

私は涼ちゃんと最寄りの駅ビル1階にあるカフェで話し込んでいた。


これまでの信じられないほど早くてスムーズ…いや、スムーズすぎる流れを簡単に説明すると涼ちゃんは何度も「良かった」と繰り返した。


だが


「譲は優しすぎるから。私なんかがこうした理由で隣にいていいのかとか……私の事を本当に好きになってくれるのか……とか、色々考えちゃって……」


譲の隣に居ることが幸せすぎるが故に、胸が痛むのだ。正直なところ、すこし辛い。


「何言ってんのよ。向こうは自分の人生の全部かけてくれてるのよ?これだけ大事にしてもらってそんなネガティブ思考でどうすんの。」

「涼ちゃん……」


確かに、と思った。

涼ちゃんの言うとおり譲は〝人生の全部〟をかけてくれている。

そうじゃないとしても、そのくらいのものを私へくれているのだ。

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