「――いや、その日は」

「GLANC・グランですよね」


言い掛ける俺に達彦がにっこりと頷いた。


――外出を終え、会社に戻った俺が真っ直ぐに向かったのは秘書室。

なのに、達彦が俺を促した先は主のいない隣の部屋。

その上そこには何故か博人がソファで微笑んでいて。

「またか」と、朝と同じ面子に呆れながらソファへ座れば、すぐに達彦が用件を話し出した。


内容は明後日の夜にある取引先のパーティに俺も出席して欲しいというもので。

だがその日はGLANC・グランでの仕事の日。



「上客の予約も入ってるし休むわけにはいかないな」


すると、斜め横に座る博人がチラリと鳶色の瞳を俺へと向けた。



「で、俺がここにいるわけ」

「は?」


訝しげに博人を見返す俺に達彦が前から再び口を開く。



「明後日のパーティは相手方の法務関係者が来るとのことで。「ならば修哉を」と社長が。――葛城先生が明後日GLANC・グランなのは私もわかっておりましたから常務にご相談させて頂きました」

「――要は、お前目当てのお客様に、修哉無しでも上機嫌でお帰り頂ければいいってことだろ?」


達彦の言葉を受けて博人が何てことは無さそうに微笑む。




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溺愛  イケメン  甘々  社長 

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