――…すごく楽しかった。


着替えを終えて部屋を出てからも思い浮かぶのはさっきまで過ごした時間の事ばかり。



――…シーフードはおいしかったし、夜景も綺麗で…。


大学まで迎えに来た藤堂さんが連れて行ってくれたのは、ベイエリアにある眺めが美しいフレンチのお店。

彩り鮮やかにお皿に盛り付けられたシーフードの数々が海沿いらしさを醸し出していて、その味も言葉が出て来ないほどおいしいものだった。



――…それに、あの場所。


食事の後に藤堂さんが車を走らせた先は海に浮かぶサービスエリア。


出逢ってすぐに二人で行ったそこは、私にとって少し胸が痛くなる想い出の場所で。

怖いほどの勢いで好きになってしまったのに、その傍に自分がいる資格がないように思えてしまった所。


そこに、あの時から一年近く経った今日、幸せな気持ちで隣に立てたことへの嬉しさがじわじわと込み上げてきていた。



――…けど、何で今日は早かったんだろう?


「――これからは月に一度はこういう日がある」と言った藤堂さんの言葉も含め、いろんな疑問が行き交う頭の中。



――…でも、いつのまにかどうでも良くなっちゃう。


どれほど時が経ってもあの存在感に圧倒され続ける自分に、リビングの前で立ち止まると苦笑いを洩らした。




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溺愛  イケメン  甘々  社長 

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