ふりむいてよキャプテン

こっぱみじんになる前に

12月24日、今日は年に一度のクリスマスイブ。

ホワイトクリスマスにはならなかったけど、昨日の夜まで降っていた雪がところどころまだ残っていて、凍えるように寒いクリスマス。


冬休みだし、カレカノがいる人たちはデートするんだろうけど、お約束のように容赦なく今日も部活がある。

でも今日は午前練だけだし、ゆっちはヒロくんと部活終わったら会うって言ってたな......。


「昨日の歌番見た?キャシー可愛いよな」


ロマンチックなこともなにもない部活の始まる前、一年生部員たちが芸能人の話題で盛り上がっていた。

キャシーなら、私も知ってる。

よく分からない漢字のグループ名のメンバーの一人で、たしか年は私より少し上だったかな、同年代とは思えないくらい妙に色気のある女の子。


「可愛いっつうか、キャシーはえろい。
俺はMiracleのかすみちゃんの方がタイプ、普通っぽいとこがいい」

「あ、そう?キャシーは目の前にいたら、ちょっと話しかけられないよな。
マサはどの子がいい?」


キャシーの胸がえろいだのなんだの盛り上がるなか、昨日の歌番に出ていた別のグループの女の子の名前が挙がる。

あのなかでは親近感のわく部類ではあるけど、かすみちゃんもやっぱり芸能人だし十分可愛い。目の前にいたら話しかけられないと思うけど......。


身の程知らずな男子たちの誰がタイプとかそんなことよりも、話をふられた小野くんがどう答えるか。

聞いてないふりをして、私はこっそり聞き耳を立てた。
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