ふりむいてよキャプテン
八試合目 しっかりしてよキャプテン

三度目の正直

12月24日、クリスマスイブ。

制服の上にコートが必要なくらいすっかり寒くなって、野球もオフシーズンに入った冬休みの朝。


私はミッチーと一緒に学校に来ていた。


「おはようー」

「おはようございます!」


二人で挨拶をして部室に入ると、私より先にきて、すでにジャージに着替えているさほちゃんと目が合った。


「あれー?二人一緒にきたんですか?」


含み笑いのさほちゃんに思わず苦笑い。


「うん、そうそうそこの自転車置き場で偶然」

「先輩の家から一緒にきたんだよ。昨日泊まったから」


会ったと答える前に、ミッチーが笑顔で爆弾発言をした。


途端に、どういうこと!?付き合ってんの!?と騒然となる部室。


ミッチー、なんでみんなの前でそんなこと言うんだ......。

隣の素敵イケメンをにらんでみても、そしらぬ顔で笑っている。相変わらずかっこいい、じゃなくて。


この場合嘘をついてるのはミッチーじゃなくて、私の方。
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