懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
だけど、ここでもたもたしている暇はない。


チャンスは今だ。


「いくぞ」


そう言い、俺はトイレから出た。


それからは校内で誰とも会わず、俺たちは真っ直ぐに車へと走った。


最初にトランクに月奈の死体を乗せ、車の後部座席で私服へと着替えた。


服のサイズが全然違って大き過ぎたが、そんな事かまっている場合でもなかった。


着替えを終えた後は良の運転で俺のアパートへと向かった。


高校を卒業してから暮らすことになる部屋に、月奈を運び入れる。


しかし、この時はまだ家具はほとんど揃っていない状態だった。


必要なものは後で買い揃えばいいと思い、部屋の中はガラガラだった。


だから俺は月奈の死体をクローゼットの中へとしまい込んだのだ。


俺が良と金を出し合い、大きな冷蔵庫を買ったのは、翌日のことだった。


こうして、月奈を殺したことを隠ぺいしたのだ……。
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