懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
ステージ6
ドアを大きく開け放った途端、俺は言葉を失った。


見慣れたキッチンがそこにあって、俺は軽く息を吐き出した。


「ここは?」


「誰のキッチン?」


後から入ってきた百合と春姫が聞く。


「……俺の家のキッチンだ」


白いテーブルに4つの椅子。


焦げ茶色の食器棚に、薄い緑の冷蔵庫。


どれもこれも見覚えのあるものばかりだ。


「ここは拓夢の家のキッチン……。ということは、残るは悠のキッチンだけね」


「たぶん、そういう事だろうな。ただし、それはここをクリアしてからだ」


俺はいつも自分が座っている椅子に腰を下ろした。


こんなに不気味な建物の中だというのに、少しだけ落着いている自分がいる。


きっと、慣れている場所にいるせいだろう。
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