懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
彗はのたうち回りながらも、自分の眼球に突き刺さっているスプーンを握りしめた。


「おい……彗?」


「やめて彗!」


小刻みに体を震わせながら、彗はスプーンを持つ手に力を加えた。


それはカレーラースをすくうようにクルッと動き、同時に彗の目が床へと転げ落ちた。


「いやぁ!」


百合が咄嗟にその場から離れ、春姫は力を失ったようにその場に倒れる。


「彗……」


俺は唖然として片目を失った彗を見た。


彗は歯を食いしばり、ゆっくりと体を起こした。


「まじかよ……」


嵐は顔をしかめ、良は目に涙を浮かべてその光景を見ている。


みんな、なにもできなかった。
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