愛なんかいらない
part 1


「好きなんです」

微かに震えてそう訴える女の子の声が、聞こえてきた…。





*...*...*...*





今日も天気がいい。

風が吹くこんな日は、 揺れるポプラ並木を眺めよう。

ふいにそう思い立ち、
私は、友人達とのランチタイムを早々に切り上げることにした。


「散歩してくるわ」

「いってらっしゃい 陽射しに気をつけてね」

日焼けを憎んでいる沙紀に見送られて向かうのは
東棟の外階段を上った先。

見晴らしのいい踊り場は
入学して間もない頃に見つけ出した私のお気に入りの場所の一つである。
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