死神のお仕事

死神としても生きる





「あっ、あかりー!」


Aランチのセットを乗せたトレーを手にして、嬉しそうに私を見た彼女は活き活きと駆け寄ってくる。あぁ、そんなに走ったら…っ!


「美緒!ご飯持ってるのに危ないよ!」

「だーいじょうぶだって、あかりじゃあるまいし。そうだこれこれ、休んでた時のノートね」


食堂に居た私の向かい側の席に座った彼女ーー美緒は、ノートをはいっと笑顔で手渡してくれる。

昨日頼んだばっかりなのに…本当にありがたい。


「ごめん、助かります…」

「いいよいいよ、テスト近い訳でも無いしゆっくりどうぞ。でも良かったー思ったより元気そうで…って、こないだも言ったけどさ」

「ね。でも正直私も思ってるんだよね」

「あ、やっぱ本人もそう思う?そうだよね、だってお見舞い行っても追い返されるし、なんか只事じゃない感じだったし…本当心配したんだからね!」


なんて言いながら美緒は、本日のAランチのメインであるカルボナーラを一口パクリ。


「う~ん、おいしっ!」


カルボナーラは彼女の大好物である。だから「ありがとう。なんとか生きて帰ってきました」なんていう私の冗談めいた返事にはもう適当な相槌しか返って来ず、彼女のフォークはすでに次の分を口に運ぶのに専念し始めていた。

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