俺様常務の甘い策略
これが一生続いたら……どんなにいいだろう。

退屈しない毎日。俺の前でコロコロ表情を変える秋月をからかって……笑って……。

しばらく様子を見てから手に入れようと思っていたが、人間って欲が出てしまうものだ。

俺も例外ではない。

秋月はどこまで俺の話を信じただろう?

会社に向かう車中ではずっと無言だった彼女。

恋愛偏差値は低そうだし、かなりショックを受けていたように思える。

冷静に考えれば身体を重ねていない事ぐらいわかると思ったが、俺が隣に寝ていてかなり頭が混乱したのだろう。

あの動揺ぶり。

秋月があんなボロアパートに住んでいたのは驚きだった。

セキュリティーが甘いのにも程がある。女ならもうちょっと気にしろよって言わずにはいられなかった。

しかも、鍵をポストに隠すって……頭は良いくせに危機感ゼロだろ。無自覚にも程がある。

休日だったら、一時間は説教していたかもしれない。
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