青春に、寄り道中。

・ 海と空と涙のブルー








翌日、夏休み最終日。
明日からの新しい学校生活に不安や少しの期待を抱きながら、いまここにいる。


窓の開いてない蒸した教室。
ここ、2年2組が私のクラスとなる。


さっき職員室で担任の先生といろんな手続きとか説明を受けていて。
それが終わると「校舎見学でもしていきなさい」と言われたんだ。



それにしても……すごいきれいな景色。
そう思いながら、窓をガラッと勢いよく開けた。

それと同時に風が吹き込んできて、一緒に潮の香りも載ってきた。


5階の教室から見える、海と青空。
これが毎日見れるって思うと、なんだか不思議。

だっていままで、海とは無縁だったから。



窓枠に腕を載せて、遠くに見えるその景色をぼーっと眺める。

ふと下にある校庭に目を向けると、そこでは野球部が練習をしていた。
今日は陸上部はやってないんだ。



ここの陸上部は、どんな感じかな。
雰囲気が良いといいけど……。

いやな記憶が頭をよぎって、それを消すように頭を横に振った。


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