さぁ、オレと恋をしてみようか
「大丈夫?明日も調子悪いようだったら、電話ちょうだいね?」と言ってくれた新井さんと、言葉はないけど心配そうにわたしを見つめる美和子さん。


「新井さん、ありがとうございます。明日は大丈夫だと思います!明後日、休みですし!」
「そう?でも、無理はしないでね?」
「はいっ」


新井さん、優しいよね。体調が悪くて交代してもらった時も、何度も連絡くれて心配してくれて…。


「じゃあ、芽衣子ちゃん行くよ」
「え?剛史さん、なに言って…」


新井さんとの話が終わると、剛史さんが席を立った。


「なにって、いつも帰りは送ってるでしょ?」
「いや、でも今日は…」
「なに言ってんの。同じでしょ?大事な娘さんをお預かりしてるんだから、なにかあってからじゃ遅いでしょ」
「…す、すみません」


そう、剛史さんは毎回家まで送ってくれる。


お父さんが心配性ってのもあるけど、たまにニュースで見る通り魔事件とかを見て、心配だからと第一回目から送ってくれるんだ。


「謝らなくていいんだよ」
「はい…。じゃあ、美和子さん。ちょっとだけ剛史さんを、お借りします…」
「やーだー!芽衣子ちゃん!〝お借りします〟だなんて!いつでも使っていいわよー」
「お前なぁ…」


わたしが頭を下げると、美和子さんが大笑いをし、剛史さんは飽きれ顏になった。


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