さぁ、オレと恋をしてみようか
*お母さんの恋の相談室!?
「ただいまー」
「おかえりー。って、芽衣子?どうかした?」
「なにが」


家に帰って、リビングに入った瞬間、お母さんが近くに駆け寄ってきた。


そうだった、わたし顔に出るんだったっけ。


普通にしよう、そう思っても、どの自分が普通なのか、わからなくなった。


なんとか平然としようと頑張ってはみたものの、お母さんには通用するわけもなく…。


「〝なにが〟じゃないでしょ。なんだかツラそうな顔してるよ。お客さんに、なにか言われた?」
「ううん」


ダメだ、お母さんは結構ウザイけど、わたしのことを一番に考えてくれる理解者で。


友人とも連絡をあまり取らなくなった今、お母さんは親であり、姉であり、親友でもある。


「こっちおいで。今、お茶淹れるからね」


食卓テーブルのイスを引き、そこに座るよう言われて素直に座った。


< 55 / 283 >

この作品をシェア

pagetop