カフェには黒豹と王子様がいます
第十五章  黒豹の大事な人
第十五章 黒豹の大事な人



「いらっしゃいませ」

「注文決まったら呼びます」

「かしこまりました」


 今入ってきた3番テーブルの女の子、ずっと小野田先輩を見てる。

 小野田先輩目当てでお店に来たお客さんかな?……と思ったら、徳永先輩が私の横をすり抜けて、その子の所に行った。

「なんだ今日子、来てたのか。久しぶりだね」

「あ、優!」

 明らかにお客さんに対する笑顔とは違っていた。しかも、呼び捨て……。

 ゆ、優?徳永先輩のことかな?

「恭一がこの店来るなっていうから来れなかったんだけど、最近西口って子の名前がよく出るようになったから、気になって」

 き、聞こえちゃった。今の私のことよね?……ていうか、恭一って……小野田先輩??
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