カフェには黒豹と王子様がいます
第二十五章 ふたつめの さよなら
第二十五章 ふたつめの さよなら


 あれから2週間

 もうずっと店には顔を出していない。

 徳永先輩がしょっちゅう家に来てくれているが、声はまだ出ない。

 徳永先輩と一緒にいると安らぐ。


 時々、竹本さんの店でケーキを買ってきてくれる。

「西口に持っていく」

 というと、私の好きそうなケーキを作ってくれるらしい。

 今日はほろ苦いカラメルのムースに、香ばしいナッツが乗っていて、紅茶の茶葉が入った生クリームを、好きなだけかけて食べるケーキだった。

 紅茶の香りが口の中に広がる。

 この生クリームだけでも絶品だった。

 徳永先輩は、少し上達したからと、コーヒーを入れてくれる。

 美味しそうに食べる私の顔を見て、満足している徳永先輩。

 生きているのか死んでいるのか、わからないような状態の私を抱きしめて、いろんな話をしてくれる。

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