カフェには黒豹と王子様がいます
第五章 二人の友情
第五章 二人の友情


 うちのカフェにしては、珍しく男の人が一人で入ってきた。

 お水を持っていくと、ぶっきらぼうに「コーヒー」とだけ言い、何かをじっと見ている。

 目線の先には徳永先輩。徳永先輩の知り合いかな?

「徳永先輩、あの人じっと見てますよ。知り合いですか?」

「……ああ、ちょっとね」

 徳永先輩はにっこり笑ってごまかしていたが、あのお客さんを避けているように見える。

 そんなに心配そうな顔をしていたのか、小野田先輩がそばに来た。

「知らないと、何かあった時に対処できないから教えとく」

「はい」

「あの男の彼女が徳永のこと好きになっちまって、その女を徳永が振ったらしい。まあ、逆恨みってやつだな」

 モテるといろんなことがあるのね。

 でも、いったい何しに来たんだろう。ドラマとかみたいに刺されたり……しないよねえ?

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