カフェには黒豹と王子様がいます
第七章 五人組の高校生
第七章 五人組の高校生


 前に来てくれた高校生の五人は時々店に来るようになった。

 四人になることもあったが、大体は五人。

 その中心にいるのが豊川くんだった。

 
 今日も定位置に座った豊川くんは、お水を持って行った徳永先輩に私を呼んでくるように頼んでいたようだった。

「西口、大丈夫?」

「大丈夫です。行ってきます」

 この店には先輩たち目当てのお客さんだけじゃなくて、私目当てのお客さんだって来るようになったんだと、ちょっとうれしかった。

 少し誇らしげに、五人の注文を聞きに行った。

「こんにちは!西口さん!」

「いつも来てくださって嬉しいです」

 私はいつも通り愛想良くふるまった。

「ご注文は?」


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