カフェには黒豹と王子様がいます
第十一章  マスター代行のオネエさん
第十一章 マスター代行のオネエさん


 初日は(あれでも)おとなしかった竹本さんが、日に日に本性を現していく。

 昨日は、注文が入ったのに厨房にいないと思ったら、裏で小野田先輩に壁ドンしていた。

「あんたホントに好みのタイプ~。猫っぽくて……いや、チーターとか豹って感じ?いい男ねぇ~」

「は、離してください」

「すいません、注文入ってます!」

 大きい声でそういうと、竹本さんはちらっと私を見てキッと睨む。

 壁ドンから解放された小野田先輩は、ほっと胸をなでおろしていた。

「小野田先輩らしくないですね」

「どんな人が来ても、何とかするって言っちまったからな」

 そう言えばそんなこと言ってた。

< 74 / 443 >

この作品をシェア

pagetop