タイムトラベラー・キス

運命の日。


朝食で使った食器を片づけて、洗濯機を回し、掃除機で部屋を掃除する。

リビングを掃除していたところで、ソファに置いてあったスマホの充電が切れていることに気が付いた。
昨日、雪と電話した後、充電するのを忘れていたらしい。
すぐに充電器のコードをさし、充電を始めた。


掃除を終え、軽く昼食を済ませ、身支度を整える。
竜見くんと会うのが憂鬱で、服もメイクも適当に済ませてしまう。


彼に対しても少しは申し訳ない気持ちがある。
利用するためだけに会おうとしているから。

まぁ、でも、過去にひどいことをされているみたいだし、このくらいはいいかなとも思う。


……出かける準備を終え、私は竜見くんとの待ち合わせの場所に向かった。
彼に会う前に理子と会う約束をしていて、彼女に会う前に早めに家を出る。


電車の中でスマホの電源をつけると、メッセージが2件来ていた。
理子と竜見くんで、雪からの連絡はなかった。



……やっぱり、怒っているよね。
連絡なんて、したくないよね。
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