タイムトラベラー・キス

あたたかい瞳。

……未来にタイムトラベルしてから10日くらい経った。

一日の流れはおおよそ掴んできている。
平日の朝は、二人とも朝早く起きて、ごはんをしっかりと食べる。
そして野々村は仕事に出かけて、夜まで帰ってこない。
私は家事をしたり、TVを見たり、たまに外出したりして一日を過ごした。


野々村は、朝はパンよりごはん派ということ。
コーヒーを飲みながら経済新聞を読む姿はお父さんに似ているということ。
スーツ姿がやたら似合うということがよくわかった。


そして……いまだに、同窓会のことは切り出せないでいる。
同窓会までもう1か月をきってしまったし、早く幹事に連絡しないといけないよね。


「よし、今日こそは言わなくちゃ」


一人部屋の中で独り言を言ったあと、大きく息を吸い込み、気持ちを切り替えて掃除を始めた。


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