殺戮都市~バベル~
強くなるという事
名も知らぬ女の子を光の壁まで送った後、俺はトボトボと一人で拠点に向かって歩いていた。


街のどこからでも見える巨大な塔。


いずれあの二人は、あそこに行くんだろうなと思いながら。


強くなりたい……そう、強く思えたのに。


仲間を守る為の力が欲しいと思ったのに。











「ダメだ。今の少年では、足手まといでしかない。それに、私達と一緒にいるからと言って、気ばかりが強くなられても困る。せめて、ポーンの一匹でも倒せるようになってから、そういう事は言うんだな」











吐き捨てるように言われた死神の言葉に、少しショックを受けた。


確かに俺は強くないけど、だからってあんなにバッサリ切り捨てられるなんて思ってなかったな。


ハァッと溜め息を吐くと同時に、グゥゥッと腹が鳴る。


そうだ、せっかく弁当を買ったのに、オークション会場で地面に置いてしまったんだ。


泣きっ面に蜂というか、踏んだり蹴ったりというか……まあ、どっちも同じだけど、やってられない。


近くにコンビニはないかと辺りを見回しながら歩いていると……見付けた。


結構色んな所にあるんだなと思い、俺はコンビニに向かった。

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