殺戮都市~バベル~
四強
泣こうがわめこうが、理沙を見付ける事なんて俺には出来ない。


それがわかっているから、亜美と優がいるビルに戻った。


仮に今、理沙を見付けたところで、俺にはどうする事も出来ないから。


今でさえ、亜美と優は不自由な生活をしているんだ。


津堂を倒したら……恵梨香さんを助けたら、誰が何と言おうと俺は理沙を探す。


そう決意してビルに戻った。


部屋のドアを開けると、二人はまだ寝ていて、スースーという寝息が聞こえる。


俺は座る場所が空いている、亜美が寝ているソファに腰を下ろした。


一人になって……改めて今までの事を思い返す。


この街に来て、明美さん、鬼頭、バーコードと出会って始まった戦い。


俺達を保護してくれた新崎さんと奈央さんは……明美さんに殺された。


恵梨香さんの強さに惹かれて、追い付こうと必死になって……。


その恵梨香さんが敵に捕まって、今、俺はここにいる。


他にも色々あったけど、考えると頭がパンクしそうだ。


色んな感情が去来して、もう、どの感情を忘れてはいけないのかすらわからなくなってしまう。


情けない事に、人を殺す罪悪感という物は……とっくになくなった。
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