彼の優しさ

side 西原 祐


午後、3ーA担任の先生と一緒に車で結城の家に向かっていた。

俺の車で俺が運転して、助手席に担任の坂井先生。

車の中は話し事も無くただ、俺は運転を続ける。

車内はカーナビが道を教えるだけで話しは無い。

………この沈黙、気まずいな…。

行きの時は何も話しは無かった。

最初に電話で『駐車スペースはあるので』と言われて車で行くと2台車があり、その隣に1台分の駐車スペースがあった。俺はそこに車を停めて、車を降りて門に付いてるチャイムを鳴らすと『はい』と聞こえたから、名乗ると少ししたら扉が開いて「どうぞ」と結城のお母さんが応対して、二人で家に入った。

廊下を歩いてリビングに招かれると懐かしいやつが居た。…俺が『アズサ』と名付けた猫。…結構でかくなったな。…アズサは俺の事覚えていたのか、歓迎してくれている。

アメリカンショートヘアーの猫は坂井先生に興味があるみたいだ。
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