誘惑したくなる上司の条件

其の二、気さくな生真面目


でも、あの旅行以来…ちょっぴり課長のことが気になってしまっている私がいます。



でも、連休明けの社内は意外と忘れ物が原因で私と課長が2人で旅館に戻ったその後を知りたがる輩は1人もいないどころか…
バッグちゃんとありましたー?などと聞いてくる輩もいない。


普通にスルーされてしまった朝礼前の時間はなかなか淋しいものだと染み染み感じてしまう。


2人がそのまま、旅館にもう一泊したことを知らなくても、ちょっとした噂話があってもいいもんじゃないか?

これだから男だらけの職場は面白味に欠けるんだよなー。

なんて贅沢なことを考えてしまう。

だって、逆にこれが女子ばかりの職場ならきっと、その後を根掘り葉掘り聞かれて、それもまたそれで困ってしまうもんだから…。


「結局は無い物ねだりなんだよなー…」

腕を組み、ため息をついている私に、同期の川嶋くんが声をかけた。

< 14 / 186 >

この作品をシェア

pagetop