誘惑したくなる上司の条件

其の三、大人の色気



そんな楽しい強制送還も、翌朝にはスッキリ忘れて

軽い頭痛の中出勤すると…

なぜだろう、少し御機嫌斜めな課長が出迎えた。

「おはよう。今朝の目覚めはさぞ、よろしかっただろうな?」

「いえいえ、二日酔いで頭痛ですー」

こめかみを押さえる私に「お前という奴は…」と呆れ顔。


どうしたのかしら?

朝から不機嫌なんて…男の八つ当たりはみっともないですよ。


「もういい、果穂、お前は今日は内勤な。事務作業しながら外勤の奴らのサポートしろよ。」

それは頭痛には有難いですが…

成績に響きそうなんで嫌です。

と、言いたいところだけど、なんか不機嫌な課長が眼鏡光らせて睨んでくるんで、おとなしくPCと睨めっこ。


「行ってらっしゃーい」と、外勤のみんなを送り出したオフィスに1人ぼっちは地味に淋しいものだ…。


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